疾病管理体制

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早期発見・早期治療と、残留薬剤の管理体制、薬剤使用量の削減

ダイバーさんが魚の確認をしている様子

1.ダイバーによる遊泳状態確認、斃死魚回収。

黒瀬ぶりの育成中、ダイバーによる遊泳状態の目視確認が行われています。魚病の専門知識を持ったダイバーが給餌前の生簀に潜水し、黒瀬ぶりの遊泳状態に問題がないか、外見に顕著な病変が生じていないかを確認し、その情報を洋上の育成スタッフに共有します。何らかの原因により死んでしまっている場合はすぐに生簀から回収し、原因を特定します。生簀という限られた空間の中での育成は、疾病が広がりやすい場合もあります。それを未然に防止するために、日々ダイバーが潜水し、黒瀬ぶりの健康的な成長を支えています。


2.疾病管理体制

黒瀬ぶりの育成中に何らかの疾病が発生した際、その原因をすぐに特定できる検査設備、検査能力を整備しています。ダイバーによる健康状態の確認で異常が発見された際にはすぐに陸上の検査施設で疾病の特定、検体を用いた薬剤の有効性確認が行われます。検査結果は獣医師に報告され、その後治療開始の指示を受けます。黒瀬ぶりの異変を早期に感知し、早期に対策を実行できることで疾病の重症化を防ぎ、健康的な育成に繋げています。検査を行う検査員は、㈱ニッスイ中央研究所の魚病診断専門家から指導を受け、十分な力量を備えていると認定されたスタッフが行います。ダイバーによる生簀内の観察、検査員による科学的な病理検査の両面で黒瀬ぶりの健康を支えています。

ぶりの検査をしている様子

3.薬剤使用量の削減

魚類疾病用ワクチンの性能向上による発症頻度の減少と、ダイバーによる生簀内の観察、検査員による科学的な病理検査による早期発見・早期治療により、1尾当たりの薬剤使用量は大きく減少しています。こうした体制が整う以前は、育成段階での疾病による減耗を想定して稚魚導入が行われていました。しかし、ワクチンの性能向上と、早期の対策を実行できる体制の構築により育成段階での減耗は大きく減少し、余剰な稚魚導入を行う必要はなくなり、現在では計画的な黒瀬ぶりの生産が可能になりました。黒瀬ぶりの健康を守ることが薬剤の使用量削減と、天然資源への圧力軽減に繋がっています。


4.出荷前残留検査

治療薬にはそれぞれ休薬期間が設定されており、投薬した場合には指定された期間内での出荷は法的に認められていません。休薬期間は、治療薬の接種から代謝により体外へ排出され、体内に残留させないことを目的とした期間であり、養殖業者はこの期間を厳守しなくてはなりません。休薬期間に加え、黒瀬ぶりを出荷する際には、水揚げ前の全ての生簀からサンプリングし、自社による化学的な検査によって治療薬の体内残留がないことを確認しています。法律の順守に加え、自主的な科学検査で黒瀬ぶりの安全性を確実なものとしています。

出荷前の検査をしている様子

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